• 9月 9, 2026

胚盤胞の「グレード」って何?知っておきたい評価の見方

こんにちは。東京ARTクリニック培養部です。

今回は胚の「グレード」についてお話しさせていただきます。


当院では、初期胚と胚盤胞にてそれぞれの胚の形態を観察し、グレード評価を行います。

グレード評価では、数字やアルファベットを用いて胚の状態を表していますが、

「この数字やアルファベットは何を表しているの?」
「グレードが良いってどういうこと?」
「グレードが低い胚は妊娠しにくいの?」

そんな疑問を持たれる方も多いのではないでしょうか。

今回は、多くの方が凍結を目指す「胚盤胞のグレード」について、詳しくご紹介します。

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・そもそも「胚盤胞」って?

受精卵は、細胞分裂を繰り返しながら成長していきます。
採卵後2~3日目頃には、「初期胚」と呼ばれる段階になり、その後も順調に発育すると、採卵後5日目頃から「胚盤胞」と呼ばれる段階へと成長します。
大きく発育した胚盤胞は、内部に「将来胎児になる細胞」と「将来胎盤になる細胞」が分かれて存在していることが特徴です。

・胚盤胞の「グレード」って何?

胚盤胞のグレードとは、胚盤胞の形態(見た目や発育状態)を評価したものです。
胚盤胞の評価には、Gardner(ガードナー)分類がよく使用されており、当院でもこの分類に基づいて胚盤胞のグレードをつけています。
ただし、施設によってはGardner分類に加えて、クリニック独自の評価方法を組み合わせてグレードをつけている場合もあります。

当院でも、患者様にお渡しする胚の写真には、それぞれグレードを記載しています。
では、実際に「4AA」などのグレードはどのように決められているのでしょうか?

Gardner分類の見方

Gardner分類では、胚盤胞を

① 胚盤胞の発育段階を示す「数字」
② 内部細胞塊(ICM)の評価を示す「1つ目のアルファベット」
③ 栄養外胚葉(TE)の評価を示す「2つ目のアルファベット」

の3つで評価します。


例えば、「4AA」と書かれていた場合、「4」+「A」+「A」という3つの要素から成り立っています。

それぞれについて詳しく見ていきましょう。

数字は「胚盤胞の発育段階」

最初の数字は、胚盤胞がどのくらい発育・拡張しているかを表しています。


数字が大きくなるほど、胚盤胞がより拡張し、透明帯から孵化していく段階へ近づいていることを示します。
例えば「3AA」と「5AA」では、どちらもICMとTEがA評価ですが、発育段階が異なります。

② 1つ目のアルファベットは「内部細胞塊(ICM)」の評価

2つのアルファベットのうち、1つ目は内部細胞塊:Inner Cell Mass(ICM)の評価を示しています。ICMは、将来胎児になる細胞です。

A評価:細胞が多く、密にまとまっている
B評価:細胞数がやや少なく、まとまりもやや弱い
C評価:細胞数が非常に少ない

というように、主に細胞の数やまとまり具合を見て評価します。

③ 2つ目のアルファベットは「栄養外胚葉(TE)」の評価

2つ目のアルファベットは、栄養外胚葉:Trophectoderm(TE)の評価を示しています。
TEは、将来胎盤になる細胞です。

A評価:細胞が多く、密に連続している
B評価:細胞数がやや少なく、並んでいる
C評価:細胞数が少なく、細胞同士の間隔が大きい


というように、細胞の数や並び方などを見て評価します。

・グレードが高い胚=必ず妊娠する?

ここはとても大切なポイントです。
胚盤胞のグレードは、あくまで胚の形態(見た目や発育状態)を評価したものです。


そのため、グレードが高い胚だから必ず妊娠する、グレードが低いから妊娠しない、というわけではありません。


反対に、形態評価ではそれほど高い評価ではなかった胚が妊娠・出産につながることもあります。
胚の染色体の状態など、形態評価だけでは判断できない要素も妊娠には関係しています。
そのため、グレードは胚を評価するうえでのひとつの目安として考えることが大切です。

・グレードは「胚のすべて」を表しているわけではありません

胚のグレードは、胚の状態をわかりやすく知ることができる評価方法だからこそ、グレードについて気になったり、不安に感じたりする方も多くいらっしゃいます。

しかし、グレードはあくまでもその時点で観察できる胚の形態や発育状態を評価したものです。
胚の成長スピードや染色体の状態など、グレードだけではわからないこともたくさんあります。

「このグレードだからダメなのかな」と一喜一憂するのではなく、胚の状態を知るためのひとつの目安として、グレードを見ていただければと思います。

当院には『培養士外来』もございます。胚に関してのご質問、ご相談はそちらでもお受けできますので、ぜひご利用ください。

 (詳しくはこちら:「培養士外来」のご案内 – 東京ARTクリニック ブログ)


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